【ここから本文】
![神戸新聞[外部サイト]](http://www.jwn.ne.jp/images/img_press_kobe-np.gif)
2010年01月13日
阪神・淡路大震災の体験と教訓を伝える「人と防災未来センター」(神戸市中央区)が、震災に関する資料を提供してくれた市民から、聞き取り調査を続けている。所蔵資料は約17万点に上るが、短期間に集めたため、資料にまつわるエピソードや提供者の思いなどが十分把握できていないケースも多い。スタッフは「調査によって、資料に秘められたドラマなどを伝えられるようになれば」と話している。(三島大一郎、田中陽一)
同センターはオープン2年前の2000年から本格的に震災資料を収集。スタッフが復興住宅やボランティア団体、まちづくり協議会などを訪ねて歩き、写真や活動記録を提供してもらった。
ただ、集中的に集めたり、その後、持ち込まれたりした資料には、その背景などがつかめていないものも。保管、展示など資料活用には、提供者の思いなども十分把握しておく必要があるとして、同センターの震災資料専門員らが聞き取り調査に当たっている。
昨年4月、100枚の写真を提供した神戸市西区玉津町今津の矢野洋一さん(73)も、聞き取り調査を受けた1人。震災の1年後、がれき撤去や復旧工事が進む現場で警備員として働くようになった矢野さんは、作業に携わる人たちや変わりゆくまちの様子を撮影したという。「写真が好きで何げなく撮っていたが、これらも震災を伝える資料になるのでは、と思った」と矢野さん。「人と人のつながりの大切さが子どもたちに伝われば」と話す。
センターには本年度も、震災体験談の原稿や写真など21点が寄せられた。「15年がたち、ようやく震災のことを話せるようになった」と明かした被災者もいたという。
調査に当たる震災資料専門員、板垣貴志さん(31)は「同じような資料でも、それぞれのドラマがある。聞き取った内容をしっかり記録し伝えていきたい」としている。
資料提供の問い合わせは、同センター資料室TEL078・262・5058