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「災害文化」形成へ可能性探る 神戸大でフォーラム神戸新聞[外部サイト]

2010年02月18日

 阪神・淡路大震災で被害を受けた古文書や震災関連記録の活用を考えるフォーラム「震災から15年 地域歴史資料の現在」が、神戸市灘区の神戸大で開かれた。被災地に残された資料を社会全体で減災に取り組む「災害文化」の形成につなぐ可能性を探った。

 震災後、被災地では古文書などの「歴史資料」と「震災に関する資料(同時代資料)」の保全が進められてきた。先駆的な取り組みであり、15年の活動を検証するため神戸大大学院人文学研究科がフォーラムを開いた。

絵図や写真 歴史資料の救出には、研究者や市民ら延べ400人が参加。阪神間、明石市の被災した旧家計45カ所で、絵図や写真、民具など段ボール箱1500箱分を保全した。同研究科地域連携センター研究員の坂江渉さんと特命講師の松下正和さんが追跡調査を行い、すべて大学や博物館などに保管され、散逸していないことを確認した。

 特筆すべきは、文化財指定を受けておらず学術的には「価値が低い」とされていた身近な歴史資料を救出した点だ。地域の歴史や個人のルーツの解明に欠かせない「どこにでもあるが、そこにしかないもの」として評価した。これまで約80%の整理が進み、半数が企画展示や講演会、学習会などで利用されたという。

課題も浮上 震災関連の資料は「後世の被災地支援に役立ててもらおう」とボランティアが始め、その後、兵庫県も加わり、日誌や避難所で配られたチラシなどを収集。映像や音声も含め総数20万点を超えた。

 地域連携研究員の佐々木和子さんによると、人と防災未来センター▽神戸大・震災文庫▽市民グループ「震災・まちのアーカイブ」など17カ所で保管。ほぼ全機関で公開されている。ただ、現代史資料は多くの個人情報を含むため、佐々木さんは「公開基準の作成が必要」と提言する。

 討論では、資料保全にかかわる大学院生が「活動を通して災害を追体験し、その多様性を知ることができた」と発言。一方、「市民の協力が不可欠だが、成果の発信が不十分」との意見も出た。同研究科教授の奥村弘さんは「歴史を引き継いでいく力がなければ、(災害の被害を抑えるため社会で努力する)『災害文化』は形成されない」と指摘。活動の意義を再確認する機会となった。(仲井雅史)

 

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