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2010年03月01日
チリ大地震による二十八日の津波警報で、東京、神奈川、千葉、茨城一都三県の各自治体も沿岸住民らに避難や警戒を呼び掛けるなど対応に追われた。鉄道は相次いで運転を見合わせ、船も欠航するなど、公共交通機関に大きな影響が出た。
◆千葉
千葉県では南房総や外房地域の八市町で約二万六千世帯に
避難勧告が出された。富津市の公民館に避難した同市の会社員荻野文勝さん(62)は「家は海から約三百メートル離れているが、子どもたちから『避難して』と電話があり妻と一緒に来た。津波での避難は初めて」と話した。
県内の避難所には午後五時段階で計三十八人が不安な時間を過ごしたが、夜までに全員帰宅した。
勝浦市によると、同市の漁協では漁船二十一隻が沖合などに避難した。東京湾アクアライン上下線と、九十九里有料道路も通行止めになった。鴨川市の加茂川河口では、波が川をさかのぼる現象が確認された。
◆茨城
茨城県では六市町が沿岸部の一万八千九百十世帯に避難勧告を出し、自主避難を含め六百十九人が一時、小学校などに避難した。
ひたちなか市立那珂湊第一小の体育館では同市の飛田賀代子さんが「川沿いに住んでいるので避難した。津波は経験がなく本当に不安。両脚にカイロをたくさん張ってきた」と話した。
日立市久慈町の久慈漁港では所属する底引き網漁船四隻が三キロ沖合で五時間余り待機。同漁港は五〇センチほど潮位が上がり防波堤が波をかぶったが被害はなかった。沖合待避は一九六〇年のチリ沖地震以来。大昭丸の小泉光彦機関長(63)は「ラジオを聞きながら船を流すしかなかった。何事もなくホッとしている」と振り返った。
◆神奈川
横浜市の第三管区海上保安本部は、管内(茨城-静岡県)に巡視船艇五十七隻と航空機六機を配置し、港内外の船舶に避難勧告を出した。
同市では市営の海釣り公園やマリーナが閉鎖され、山下公園も立ち入りが制限された。横浜港の遊覧船も同日午後から、各社が運航を見合わせた。
横須賀市では四地区二千五百世帯に一時避難勧告が出され、最大で約三百五十人が周辺の小学校などに避難した。
◆東京
東京都の小笠原村では、父島と母島の沿岸部に住む住民約四百人が避難指示を受けて学校や診療所などに身を寄せた。
他の島部でも沿岸から離れるよう、防災無線や巡回で注意を呼び掛けた。
都は被害防止のため、港湾局が管理する東京港の十九水門、建設局管理の河川部の十五水門を一時閉鎖した。
◆JR9線一部運休 18万人に影響
JR東日本によると、首都圏では東海道線藤沢-熱海間、根岸線桜木町-大船間、横須賀線逗子-久里浜間、京葉線東京-新木場間など九線の一部区間で二十八日昼ごろから順次運転を見合わせた。
JR東は同日夕から段階的に運行を再開したが、九線で計約約十八万三千人の足に影響が出た。
私鉄では、小田急江ノ島線が藤沢-片瀬江ノ島間で一時運転を見合わせた。同区間を走る特急ロマンスカー「えのしま号」が新宿-藤沢間のみで運転するなどしたため、約二千五百人に影響が出た。
京浜急行は金沢文庫-京急川崎間で数本が運転を見合わせた。
また、神奈川県横須賀市と千葉県富津市を結ぶ東京湾フェリーが同日午後一時すぎの便から運航を見合わせ、計十四便が欠航するなど船の便にも影響が出た。
[写真]海水が川をさかのぼる現象(下から上へ)が見られた加茂川河口=28日午後5時2分、千葉県鴨川市で